6/7週振返り:米イラン戦闘終結への動きで原油急落!しかし「超円安」が止まらない理由とDC運用戦略

6/7週のマーケットは、地政学リスクの大転換と、欧州中銀(ECB)のサプライズ政策決定によって、為替もコモディティも非常に激しい動きとなりました。

「原油が下がったのに、なぜ円高にならないの?」「保有している外国株・外債ファンドのスイッチングはどうすべき?」とお悩みの方に向けて、今週の重要ポイントを分かりやすく解説します!

1. 今週のトピック:原油価格は84ドル台へ急落、しかしドル高・円安は継続

今週最も大きなニュースは、米・イラン間で戦闘終結に向けた覚書(MOU)を交わそうとする動きが急激に強まったことです。

これを受けて、これまで地政学リスクプレミアムを乗せて上昇していたWTI原油先物は、4月中旬の水準である84ドル台まで一気に下落しました。

⚠️ 同じ「84ドル」でも4月中旬とは中身が違う!

  • 4月中旬の84ドル: 戦闘開始後、100ドル超えを警戒しながら一時的に押し目を作っていた「上昇トレンドの途中」。市場は恐怖を内包していました。

  • 今週の84ドル: 「戦闘終結=供給懸念の解消」という政治的合意を睨んだ「地政学リスクの剥落」。市場は有事の巻き戻し(事実売り)に動いています。

普通に考えれば、原油安=米インフレ懸念後退=ドル安(円高)になりそうなものですが、ドル円は依然として160円前後の歴史的な円安水準に張り付いたままです。この背景には、今週木曜日にあったECB(欧州中央銀行)の決定が大きく絡んでいます。

2. マクロ経済の視点:ECBの25bp「利上げ」とドルインデックスの歪み

ここで今週の市場を読み解く最大の鍵となった、為替の構造について触れておきます。

💡 今週の最重要チェックポイント ドルインデックス(主要通貨に対するドルの総合的な価値を示す指数)の構成比で最も重いのは「ユーロ」です(ウエイトは約58%)。 その欧州中央銀行(ECB)は6月11日の理事会で、これまでの原油高によるインフレ再燃を警戒し、**25ベーシスポイント(0.25%)の「利上げ」**を決定しました。

通常、ECBが利上げ(タカ派)に動くと、ユーロが買われてドルが売られるため、ドルインデックスは低下(ドル安)します。

しかし、足元では「ドル安」以上に「全面的な円独歩安」が進行しています。米・イランの緊張緩和によって投資家のリスクオン心理が戻ったことで、低金利の「円」を売って高金利通貨や海外資産に資金を投じる「円キャリートレード」が再活発化。結果として、原油が下がっても激しい円安が続くという歪な構図になっています。

3. 確定拠出年金(DC)スイッチング戦略への影響

この経営環境を踏まえ、私たちの確定拠出年金口座でのスイッチング戦略はどうすべきでしょうか。

① 外国株式(インデックス)ファンドの保有者

円安のキープにより、円建ての海外株ファンド(MSCIコクサイ等)の基準価額は高値を維持しています。しかし、原油安による米金利低下が今後進めば、どこかで急な円高(基準価額の目減り)がやってくるリスクを孕んでいます。

  • 毎日スイッチングの視点: 利益が乗っている分については、一部を「元本確保型(定期預金)」や「国内債券」へ段階的に利益確定スイッチングを検討しても良い局面です。

② 海外債券ファンドの保有者

ECBの利上げ、そして今後の米国の利下げスタンスを巡り、海外債券はボラティリティが高まっています。為替ヘッジなしの場合、円安の恩恵を受けていますが、金利上昇(債券価格下落)リスクには注意が必要です。

③ 国内株式ファンドの保有者

超円安は日本の中東依存の輸入企業には打撃ですが、輸出大型株にはプラスに働いています。ただ、戦闘終結によるグローバルリスクオフの動揺が収まれば、出遅れていた日本株に見直し買いが入るシナリオも。一気に動かすのではなく、毎日コツコツ配分を変更するのが吉です。

運営者のまとめ:平時の「金利差相場」への回帰に備える

戦争という「有事の価格(地政学リスク)」から、中央銀行の政策金利という「平時の価格(金利差相場)」へと主役が交代しつつあります。

ECBが利上げに踏み切ったように、世界的なインフレの火種はまだ完全に消えていません。為替が1円動くだけで、DCの資産残高は数万〜数十万円単位で変動します。目先の原油安に惑わされず、各国の金利動向を注視しながら、来週もコツコツと「毎日スイッチング」の最適解を探っていきましょう!

それでは、来週も資産運用頑張りましょう!

 

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