COP25、脱石炭の勢いで日本は苦しい立場

「学校ストライキ」で今年最も注目されたスウェーデンの高校生の環境活動グレタさんが駆けつけたり、日本の小泉環境相が参加で話題を集めたCOP25でしたが 、異例の会期2日の延長を経て12/15閉幕しました。

温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の本格稼働が来年2020年1月に本格始動が迫っています。

2015年のCOP21で採択されたパリ協定では、

・産業革命前からの気候変動を2度未満に止め、できれば1.5度以内に抑えることが目標

・京都議定書とは違い途上国にも温暖化ガスの削減目標を課す

・温暖化ガスの削減目標などは自主的に定める

などを掲げています。米国はすでにトランプ政権下でパリ協定からの脱退を表明しています。




COP25

日経新聞12/16『温暖化ガス 削減強化』によれば、

・各国の温暖化ガス削減目標を引き上げることで合意

・対策の強化が必要との内容を文書に盛り込んだが義務付けはしていない

・上積み幅も各国の判断に委ねる

がCOP25(第25回国連気候変動枠組み条約締結国会議)で得られた成果です。

これらは先送りとなりました。

・パリ協定の詳細なルール作りを来年のCOP 26に持ち越し

・パリ協定以前に得た排出量をパリ協定以降の目標達成に使えるかどうかの議論も決定を見送り

 

石炭火力発電所

同紙同日『パリ協定 波乱含みの船出』によれば、会期中EUはさらなる引き上げを一貫して要求しました。温暖化で水没の危機にある島諸国ツルハは、途上国であっても積極的な立場です。

一方で先進国でも米国は慎重な立場で、石炭や化石燃料の産業を守りたいオーストラリアなども反対にまわっています。

日本は立場を明確にしませんでした。石炭火力発電所の方針について小泉環境相相は「石炭火力発電所について、今は新しい政策の表明ができない」と演説の中で発言し、消極的な姿勢に非難が集まりました。

同記事によれば、石炭火力発電などの化石燃料から投資を引き上げる動きは、世界で1千兆円兆円に近いとされています。

 

まとめ

東日本大震災以降、原子力発電所の停止が相次ぎ火力発電への依存度が高まっています。特に石炭は安定供給やコスト面の観点から経済産業省は推進してきました。蓄積されてきた石炭火力発電所の技術は、海外への展開を見込んでいました。

いくら技術的に優れていても、石炭を活用していること自体が槍玉にあがっています。地球温暖化による海面上昇で国土を失う危機に瀕する欧州を中心とした勢いにはかないません。