独メルケル首相、仏マクロンともに浮かぬ顔です。先週末、ドイツでは連邦議会(下院)選挙、フランスでは上院選でした。
日経新聞9/26記事『独仏 揺らぐ政権基盤』によれば、メルケル独首相は4選を確実にしたが、自身率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は大きく議席を減らしました。マクロン仏大統領も事実上の敗北との見解です。
5月の若き仏大統領誕生に、ポピュリズムの波が収まりました。9月の独選挙で波はさらに穏やかになるとマーケットはみていましたが、そうはなりませんでした。ストーリーの書き替えが必要な状況です。
ドイツはあらたな連立模索
CDU・CSUの得票率は、当記事によれば33%で、第1党を守ったものの過去2番目の低水準です。第2党のドイツ社会民主党(SPD)は連立離脱を表明しました。安泰過ぎて退屈すぎる現与党が続くはずだったのに波乱です。
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メルケル首相は、自由党(FDP)と緑の党との連立を模索していることを選挙後明らかにしました。
自由党(FDP)は、「独の税金がいたずらに他国に流れることを避けるためにも各国に厳しい財政規律を求める立場」だと当記事は述べています。もし手を結べば、金融緩和縮小の圧力が強まりそうです。
緑の党は、環境問題を重視する政党です。2030年からのディーゼル車の販売禁止を公約としています。直近、独仏が2040年までに販売禁止を表明し中国までもが電気自動車(EV)促進を強める意向を打ち出した最中、連立の相手としては受け入れやすいとメルケル首相は睨んだのでしょうか。
フランスは大統領の孤立が鮮明に
先週末の選挙結果を待つまでもなく、当選100日を迎えた8月あたりから、マクロン大統領の孤立感が鮮明になっています。政党を持たずに当選したのち、「共和国前進」を立ち上げ6月総選挙では大勝利でした。ところが7月になって、国防費予算を巡って対立した軍トップが辞任をきっかけに、若者層の受けの悪い改正労働法の施行強行が仇となり、仏大統領は孤立感を深めています。
先週末の選挙では自身の政党は議席を減らしました。
まとめ
ポピュリズムの波が収まりかけるようにみえましたが、そうはなりませんでした。独選挙では極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が、難民問題の閉塞感からか第3党に躍進したことも話題となっています。
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)のスイッチングのために描いていたストーリーは、崩されてばかりです。
9月になって到達したユーロ・ドル1.20の水準はどうにか保っていますが、予断を許さぬ状況です。