中国当局が発表する経済統計は当てにならないとよく云われます。皮肉交じりではありますが、経済通と云われる現首相の李克強が重視するという噂の指数がマーケットではもてはやされます。電力消費と鉄道貨物輸送量と銀行融資。この3指標は「李克強指数」と呼ばれ、この動向に市場は警戒します。不動産バブルでないか、巨額の不良債権がはじける寸前でないのか。。裏付けとなる指標が信頼できないとなると、憶測ばかりで雰囲気で感じ取るしかありません。
土日の統計発表が当然の中国
よく覚えていますが、昨年2016年元旦に発表された中国製造業PMIが、世界を大混乱に陥れました。2015年は年内最後の取引日である大納会に向けて株式市場は上昇傾向で、いわゆる「掉尾の一振」で一年を終えました。ところが一転、元旦発表の中国がマーケットを震撼しました。PMI発表は、2016年前半の大暴落のキッカケとなりました。
「中国は旧正月を祝うからなぁ」と、自分を納得させていました。
でも、9/17号日経ヴェリタス『中国、統計発表が映すお国柄』を読んで、解釈が不十分だったと知りました。月次指標は、土日に関係なく決まった日付で公表されるとのことです。製造業PMIは毎月1日と決まっているので、元旦であっても発表されたわけです。
注:2016年元旦は、金曜日で中国は休場でありませんでした。また、日経ヴェリタス記事では、土日と重なった場合は発表と記していますが、祝日には言及していません。
発表日付が決まっている中国がまっとうだと思う
中国以外の国は、新興国を含め平日公表しているとの識者のコメントを日経ヴェリタス記事では紹介しています。土日だと役所は休みだから当然という風潮があるようです。たしかに。
でも、投資家の立場からすれば、日付が決まっていたほうがわかりやすいです。たとえば、米国雇用統計。世界市場にもっとも影響力があるこの統計情報は、毎月第1金曜日に発表されます。意外にうっかり忘れてしまいます。今月(2017/09)は9/1でした。通常、月が明けて土日をはさんで金曜日が訪れますが、今月は第1営業日でした。
私のように、2営業日前に確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)の運用指図を出す身としては、前月8月にスイッチング金額を判断することになったわけです。お盆過ぎにぼんやりカレンダーをみて、「あれっ?」とおもい8月後半は暦を確認することが多かったです。
中国当局の真面目な一面
当記事によれば、中国の役人の真面目さが一因のようです。「中国中央官庁の統計マンのプロ意識は高い。正確な数値を一刻も早く世に出すことを使命ととらえ、土日に発表できるものを月曜まで待つことはしない」との中国人民銀行への出向経験のある金融関係者のコメントを紹介しています。どうも、胡散臭い。。
このコメントには続きがあります。「そうした頑張りこそが上司や共産党上層部にアピールするとの計算がある」。これで納得しました。
まとめ
確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)の毎日スイッチングには、暦の確認が欠かせません。この日経ヴェリタス記事は、お国柄がにじみ出ていて面白かったです。