元安・資本流出の恐怖も、正月はおせちを美味しくいただきたい

チャイナショック再来の予感が高まってます。




モチが喉つまる思いした2年前

今の状況を2年前に重ねて心配する人も多いでしょう。2015年12月、リーマンショック以降ピタリと0.25%に張り付いていた政策金利を米国はようやく引き上げました。

その後も景況感は穏やかだった2016年早々、チャイナ・ショックです。元旦の中国PMI悪化発表で欧米マーケットは激震、1/4中国サーキットブレーカー発動(株式相場自動停止)でパニックです。三元日はモチが喉に詰まった心地でした。。なすすべなく呆然とマーケットを眺めていました。

今年も同じく12月に米国は利上げを実施しました。その後は同じく世界的におしなべて株式市場は上昇トレンドを保っています。ただ、今年は10月に共産党党大会があり中国は金融引き締めをいつ始まってもおかしくない状況です。

正月はおせちを美味しくいただくためにも、年末にはポジションを控えめにしようと今から身構えています。

実質的には既にとんでもなく元安なのでは

日経新聞12/17一面トップは『人民元国際化 立ち往生』です。日曜朝に開いた紙面から飛び込む記事ですがら、社説に匹敵する大きなメッセージが込められているように感じました。この記事には2つのグラフが掲載されています。

 

一つ目はタイトル「資本規制強化で人民元国際化にブレーキ」です。人民元決済比率と貿易額の2012年からの推移を示したグラフです。貿易額はほとんど変わらないのに決済比率は2015年を境に登って下ってです。キレイなへの字です。

SDR構成通貨に人民元の採用が決まったのが2015年11月でした。ドル、ユーロ、ポンド、円に次ぐ国際通貨の地位を獲得しました。採用決定のために元決済比率を高めましたが、その後は下落の一途です。

 

二つ目はタイトル「中国の現預金総額は日米合計より多い」です。2000年末からの中米日の現預金総額(M2)が棒グラフで比較できるようになっています。加えて、中国の現預金総額については対GDP比の推移が折れ線でわかるようになっています。

現預金総額は2009年に米日を中国は抜き去りその後も圧倒的な増加です。中国の増加の度合いに比べれば、異次元ともいわれる超金融緩和を継続してマネタリーベースを増やしたはずなのに米日のマネーストックはさほど増えず市中にお金が回っていない状況がグラフから見えてきます。対して中国は、市中をお金でジャブジャブにしました。GDPの伸びが米日より伸びているからだとは思いますが、お金の中身が大事だと思います。不良化の度合いが気がかりです。当記事によれば、16年末の中国の企業債務のGDP比は166%で、1990年代前半の日本をも上回る水準とのことです。

 

人民元はSDR構成通貨の採用できたので、信頼を得るために頑張ってきた元高はもはや不要です。中国輸出産業にとっては元高は辛いです。でも元安だと海外の資産に変える動きが強まります。2015年夏の元切り下げでは、予期せぬ元安への呼び水となってしまい、その後は外貨準備を切り崩して必死に通貨防衛に当たりました。

通貨防衛は、この10月に終わった共産党党大会に向けてなんとかモチベーションを保ってきたのだと思います。その党大会は、国家主席の権力集中が高められ無事閉幕しました。

 

通貨防衛を一服したいのがホンネだと思います。市中にはお金がジャブジャブ。中国国内で不良化して滞留する人民元は、実質的にはとんでもなく安いのではないかと、当記事に掲載の二つのグラフをみて感じました。

 

まとめ

上海総合株価指数は先週は▲0.78%安。11月中から下値を探る動きが続いています。確定拠出年金の株式比率は年末には下げて年越しをしようかと考えています。




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