私が加入している確定拠出年金は半年に一度、取引状況のお知らせが郵送されてきます。
過去に遡り2年分(5回分)をこの度分析しました。このブログのタイトルにしている「毎日スイッチング」を本格的に開始したのが2016年6月でした。ちょうど、英EU離脱国民投票の直前でした。2年分とは、毎日スイッチングを実践した期間が重なる期間でもあります。
国内株式連動商品
を用いて「毎日スイッチング」を実践しました。この結果が下に示すグラフです。結論から先に述べると、「時価評価額ベースで2年で3倍を超える」パフォーマンスでした。なお、毎日スイッチングのノウハウは、
にまとめてあります。ご参考にしてください。
今回の記事は誤解なく忠実に読んでいただきたい思いから3回に分けて書きます。次の視点から記述します。
第1回:事実です。何ををもとに「実績2年で3倍超」であるかを述べます。冒頭に掲載したグラフが何であるかを説明します。
第2回:分析です。口数と売買回転を意識して運用してきました。このブログで唱えてきたイチロー効果が上手くいったのかを分析します。
第3回:比較です。ドルコスト平均法で運用していたと仮定して、運用実績を比較します。
この記事では、国内株式連動商品単体での運用結果を述べています。他の商品を含めた全体の結果は、
をご参照ください。
取引状況報告書
半年に一度、レコード・キーピング会社から取引状況のお知らせが届きます。レコード・キーピング会社は大手2社で占められており、私の場合はJIS&Tという会社です。
JIS&Tの場合、「確定拠出年金お取引状況のお知らせ」という長いタイトルが付いた書類です。以下、この記事では「取引状況報告書」と呼びます。なおこの記事は、JIS&Tからの取引状況報告書を前提に書いています。
注:記事中の「基準価額」、「口数」は、取引状況報告書で記載の「時価単価」、「残高」と同じです。
グラフを見る前に
グラフの話をはじめる前に、大事な注意です。特定の商品のパフォーマンスがよくても、確定拠出年金トータルが良くなくてはなりません。私の2017/9末時点の運用利回り(初回入金来利回り)は、
4.88%
です。加入者向けサイトに掲載される9末時点の利回りを記録しておいた数字です。この数字は、リーマンショック後に入社した若い社員相手に話すとクスッと笑われるかもしれません。彼らは何もせずほったらかしでも10%を超える利回りを得てきました。
私の勤め先は、2005年から401kを導入しています。世間的にはかなり早い時期の導入です。私は入社20年を超える中年です。2005年前の確定給付年金(DB)からの移行金が初回入金で、高値の商品に廻されてしまいました。最悪のスタートです。長い期間、ほったらかしでした。2013年に目覚め401kを真面目に運用するようになりました。こんな経緯を考慮すれば、5%に迫る利回りに私は納得しています。
確定拠出年金の加入者を均してみると2017/3末までの運用利回りは2.76%とのことです(日経新聞2017/06/14(格付投資情報センターR&I調査結果))。
利回り5%は、株式投資の世界では目標にする人が多いと思っています。この利回りで運用できれば複利により14〜15年間で資産が倍になる計算です。実現出来たらけっこうスゴイ数字です。確定拠出年金は手数料・税金はゼロで運用できるので、少しプレミアムを付けて目標設定してもよいかとも考えていますが、まずは5%以上を安定的にキープできるようになるのが私の当面の目標です。
冒頭で述べた2年で3倍超のパフォーマンスは必要条件にはなりえても十分条件ではないです。「毎日スイッチングしても5%に迫る利回りが確保できている」ことが第一に重要です。2015年に5%あった利回りが、2016年前半には2%台まで利回りが下落したこと覚えています。2年で3倍よりも、5%目前まで利回りが回復したことにホッとしているのが正直な現在の心境です。
また、この2年間の確定拠出年金全体の伸びは、
運用金額:1.13倍
に対して、
年金資産評価額:1.26倍
評価損益:1.62倍
でした。運用金額は勤め先からの掛け金です。運用の結果としての資産額が年金資産評価額です。評価損益は、年金資産評価額と運用金額との差分です。これらは取引状況報告書に記載されてきます。2015/9を基準とした倍率が上記の数字です。
毎日スイッチングの対象商品は時価評価額が3倍超増加となりましたが、それに比べれば年金資産評価額の1.26倍増は控え目な数字です。他の商品から資金を対象商品に移動したためです。
1.26倍は年率換算で13%の伸びです。これ自体がかなりスゴイ数字です。「毎日スイッチング」が牽引した結果だと考えています。
ただ、これらの倍率は特定期間の結果です。また、他の商品を含めた全体の結果が見えてきません。
も併せてご参照ください。
あくまで利回り向上が目標です。毎日スイッチングはその実現のためのスキルです。
グラフの見方
グラフは、取引状況報告書とインターネットで無料で入手できるデータに基づいています。先に述べた運用利回り(初回入金来利回り)のように加入者にとって大事な情報であっても取引状況報告書に記載がないものもあります。
入手が難しいデータは使わず作ったグラフです。取引状況報告書を捨てずに保管していれば、MS-Excelを使って誰でも作ることができます。この記事を読んで興味が湧いてきたらぜひ作ってみましょう。
横軸は過去5回分の取引報告書の時点です。2015/9末〜2017/9末の 半年毎の月末営業日です。
縦軸は、主軸(左軸)と第2軸(右軸)です。
主軸は、2015/9末を基準とした増減比です。基準価額の赤、口数の緑、時価評価額の紫と対応します。どれも取引状況報告書に記載があります。
基準価額は、株式でいえば株価です。毎日定時に決まる商品単価です。取引状況報告書では時価単価という名目で記載されています。
口数は、保有する商品の口数です。取引状況報告書では残高と記されています。
時価評価額は、口数と基準価額を掛け合わせて決まる金額です。基準価額(時価単価)は10,000口単位で取引状況報告書には記載されています。
これらの数字の増減を折れ線で示しています。
第2軸は、月末営業日の日経平均株価です。商品の増減比が、どのような経済環境の中で推移したかを掴む上で参考になるかと思い付けた軸です。
当商品はTOPIXをベンチマークとするインデックス投信なので、本来はTOPIXとすべきだったのかもしれません。でも私をはじめ多くの投資家は日経平均株価で株式相場を記憶しているので用いました。日経平均株価の時系列データはインターネット上で無料で入手できます。