対中米関税「第4弾」にかくれ、ファーウェイ・ZTE復調の兆し

9月より3,000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を課すと、8/1、米トランプ大統領は表明しました。昨年から続く追加関税のいわば第4弾です。7月最終週にはじまった米中協議は軟調でしたが、この唐突な表明で融和の芽をあっさり摘み取ってしまいました。

7/31には米利下げをFOMCは決めましたが、利下げの継続には否定的な議長会見であったことにトランプ大統領はツイッターで不満をあらわにしてました。追加関税の表明が利下げ直後とあって、利下げ継続の要求を促しているように意識させられます。貿易摩擦で混乱に陥れ景気見通しの悪化から利下げを促すという、危ないカケに打って出ました。

追加関税に株式市場は大暴落です。でも、米株価指数は史上最高値圏にあるで暴落で被害を受けるのは米国以外です。株式市場の動向もよくみながらタイミングを見計らってトランプ大統領は発言しているように見て取れます。




ファーウェイ・ZTEが復調の兆し

米国の攻勢は、米中貿易摩擦が顕在化した昨年来、混乱のたびに米国株を吊り上げてきました。ドル高を生み資金は米国に還流しています。

ただ、技術の流れは米国の意のままにはコントロールできないようです。米国から制裁を受けてきて貿易摩擦の象徴的な存在ともいえるファーウェイとZTEは復調の兆しをみせています。

ファーウェイは、7/30ロイター
中国ファーウェイ上半期決算、売上高の伸びが23.2%に拡大

にあるように、米政府からの圧力があるなかで業績は好調でした。当記事によれば、好調な国内スマートフォン販売や、次世代通信規格「5G」の通信網の新規契約によって輸出規制の影響が相殺されたようです。自前技術の開発も強化しています。スマホOSアンドロイドの禁輸を警戒して、独自OSを発表したと8/10日経新聞では大きく伝えています。

ZTEは、8/6日経新聞
復調ZTE、5G攻勢 米制裁「全面降伏」から1年

によれば、世界60社超と次世代通信規格「5G」の通信網構築で相次ぎ提携し、存在感を急速に高めているようです。

まとめ

ファーウェイの中国でのシェア拡大は、5G開発で遅れる米クアルコムは苦境に立たされています。寡占的で高額な特許ライセンス提供のビジネスモデルは、和解はしたもののアップルとの提携にヒビが入りました。5Gでで遅れてしまってアップルはインテルの半導体関連事業を7/25に買収しています。

米企業間でもたつきがある中で中国企業の復調は、貿易摩擦の今後の動きに影響を与えそうです。