期末リスク、売らざる得ないプレイヤーの存在

個人投資家には企業のような会計年度はありません。

企業は期末に合わせてバランスシートを整える「帳尻合わせ」に翻弄されます。

3月の暴落は、新型肺炎の感染拡大に起因していることは誰の目にも明らかですが、さらには多くの企業の決算時期に重なっている要因が強いです。

売らざる得ないプレイヤーの存在を冷静に受け止めたいです。自分の好き勝手なタイミングで売買できる個人投資家は、期末リスクにともなう投げ売りをキャッチアップしていきたいところです。

とかく弱者扱いされる個人投資家ですが、投資主体として欠かせない存在だと新型肺炎での暴落を機にあらためて感じます。

 




NT倍率に異変

日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率に異変が起きています。時価総額が大きな銘柄が揃う日経平均が東証一部全銘柄で構成されるTOPIXより優位な状況(NT倍率が上昇)が長らく続いてきました。

とくに、米中の貿易摩擦が激化しはじめた2018年夏からはNT倍率の上昇は顕著でした。米中の動向に振り回されつつも時々の状況で柔軟に対応できるグローバル企業が相対的に優位であることが大きく効いているのだと考えていました。

ただ、3月の相場暴落ではNT倍率は急落したのです。TOPIXが相対的に優位な状況に変わりました。

日経平均は225銘柄で構成されるので個別銘柄の値動きが大きく作用します。値動きに大きな影響を与える値がさ株筆頭のソフトバンクグループが値崩れは、NT倍率の押し下げ要因となりました。

それ以外にも期末要因があるようです。日経新聞3/25『ファンドの銘柄整理 連鎖』によれば、多くのヘッジファンドが解約請求の求めに応じるため現金の確保に動いています。当記事によれば、ヘッジファンドの保有銘柄は投資信託や年金基金などもおおむね共通しているとのことです。

流動性が高いといわれる日経平均採用銘柄がとくに換金売りの対象になっている状況が、NT倍率の浮き沈みから透けてみえます。

 

東証REIT指数が急落

3/19、東証REIT指数は19%の急落でした。私も保有していたFEIT-ETFが直撃を喰らいました。。

日経新聞3/20『東証REIT指数「地銀が損切」下落率最大に』によれば、決算期末を控えた国内金融機関によるロスカットの売りだといいます。地銀などは債券に代わる利回り商品としてREITの保有を増やしてきたが、減損を迫られないようにロスカットに動いたようです。

あまりに異様な売りに驚いたもののETFを買い増しました。結果として、翌営業日から急上昇でした。3/26日経新聞『REIT指数 43%上昇』によれば割安感に着目した投資家などの買いが入ったようです。

 

まとめ

新型肺炎の感染拡大による経済の悪化は長期戦になりそうです。企業が切羽詰まった状況での投げ売りは、今後も出てきそうです。

サラリーマンとしては厳しさが増すことやむなしですが個人投資家としては、気長に構えチャンスにしていきたいです。