株式相場の見通しが不透明な中、頼みの綱はやはりREITです。大阪G20のさなか開催された米中首脳会談では、貿易摩擦は緩和にむかう気配でしたがその後一週間たった現在では株式相場の警戒は解けませんでした。
行き場に戸惑うマネーはREITへと。7月になって東証REIT指数はさらに駆け上がり7/5は4年半ぶりの高値1986.81をつけました。大きな節目2,000は目前です。
後日談2019/07/11:
終値2,008.31、到達です。
私の企業型確定拠出年金(401k)にはREIT投信はないので、自らの証券口座で東証REIT指数連動のETFを購入しています。株式のパフォーマンスが冴えない中、REITはありがたい存在となっています。
14兆円に到達したREIT市場
日経新聞6/7『14兆円市場 日銀が支え』によれば、市場創設から20年弱で銘柄は60を超え、時価総額は14兆円を突破しました。米国に次ぐ世界2位で、東証1部の不動産業の時価総額を上回る規模にまでなっています。
この記事には創設された2001年からの時価総額と銘柄数の推移をグラフにしています。時価総額は2007年に7兆円近くのピークをつけた後、翌年には3兆円を割り込み停滞します。アベノミクスがはじまる2012年頃から上昇に転じ14兆円に到達しました。銘柄数40あたりで頭打ちとなりリーマンショックで減少したもののやはり2012年頃から伸びて60を超えています。
日銀のREIT買い入れは2010/10からです。2013/4には年約300億円の買い入れ枠を設定、2014/10には年約900億円に増枠しています。日銀の支えあってのREITです。
トヨタ1社をも下回る小さな市場
REITにはつねづね値動きの軽さを感じています。振り返れば2015年の下落局面ではずいぶん損切りしました。。
東証1部の株式時価総額がちょうど600兆円を超えた水準にあるなかで、時価総額が14兆円を超えたとはいえ小さな市場です。トヨタ自動車の現在の時価総額が約22兆円なので、それをも下回るちっぽけな存在です。
時価総額が低いとどうしても値動きが荒くなります。2015年のチャイナショックに連れ立っての暴落時にはヒドイ思いをしました。。
まとめ
2017年には、金融庁からの毎月分配型投信の販売自粛要請にともない、こうした投信を組成していたREITからの資金流出が続きました。その流れが転じて2018年頃からは株式相場の受け皿としての機能をREITは発揮しています。
毎月分配型投信の問題は収束に向かうだろうと、私はREIT-ETFを2017年頃から買い増してきましたので現在は恩恵にあずかっています。ただ、こうした好調なときだからこそ、REITの時価総額は小さく値動きが粗いものだと忘れないようにしたいとおもいます。