株は腐らない〜後編〜

金融商品としての株は劣化しないのがメリットです。

 

実際には、劣化しないのは「現物株」と云われる株です。金融商品には時間の経過とともに劣化するものがあるので、敢えて現物を名乗るのです。

 

かつて私は信用取引で酷い火傷を負いました。信用取引とは、手元に資金がなくても証券会社からお金や株を借りて行う売買です。

手元資金をテコに最大3倍の取引ができます。

 

証券会社からお金を借りて株を買います(買建て)。値上がりしたら売って利益を得ます。利益を証券会社への返済に回します。

また、証券会社から株を借りることができます(売建て)。何で売るの?売建てはイメージが難しいかもしれません。借りると同時に売ります。そして安値となったら買い戻し証券会社に株を返すのです。売建て時点の高値と買い戻した安値の値幅が利益となるわけです。売建てた段階では利益が出ていないので、「空売り」なんて云い方もします。

 

株価の上昇が見込まれるときに買建てます。下落が予想されれば売建てます。

相場が高値でも安値でも、理屈と上ではいつでも利益を出せるのが信用取引の特徴です。

 

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でも相場を読み誤ると大変です。買建てた後に値下がりしたら安値で売って返金しなくてはなりません。売建てた後に値上がりすれば高値で買い戻すことになります。

借りたお金ないし株は、通常6ヶ月で返さなければなりません。その間、証券会社は貸したお金には金利を付けますし、貸す株にはレンタル料を取ります。

 

信用取引は時間との闘いです。期待した相場の水準に早く到達しなければ、証券会社への返済額が増えていきます。

野菜の株と同じです。鮮度がどんどん落ちて最後には腐ってしまいます。食べられなくなってしまうので価値はゼロになってしまいます。早く買った野菜から順に冷蔵庫から出してきて調理します。スーパー・マーケットは売れ残りを警戒して夕方にはバーゲンセールをします。

信用取引で保持する株(建玉)も、早くに建てたものから順に決済します。建日に応じて色が付くわけです。

 

現物株には色が付きません。高値であろうが安値であろうが購入日は関係ありません。

例えば、80円と20円で1株ずつ購入したとします。平均は50円です。時価40円で1株売ると損得どちらなのか。捉え方次第です。平均より2割も下落しているのだから、「損切り」とも云えます。あるいは、20円で塩漬け状態の株を売ったとみなせば「利益確定」ともみなせます。捉え方はどうであれ、1株売るかどうかを悩むだけです。

信用取引だとそうはいきません。建日が早い安値の建玉か、建日の遅い高値の建玉かというように悩みが複雑になります。

 

現物株だって細かくいえば、手数料と売買益には税金がかかります。あまり頻繁に行うと資産が目減りします。

その点、確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)は、売買(スイッチング)を手数料と税金なしで行えます。

売買単位も株式売買に比べはるかに少額できます。株式は100株単位(単元株)で売買するので10万円程度は掛かります。かたや確定拠出年金は1口1円程度です。例えば「5%買った後に3%売る」といった機関投資家になった気分で小刻みにオペレーションができるのです。

 

株は劣化しません。確定拠出年金が持つ手数料・税金が掛からず運用できるメリット、小刻みにスイッチングできるメリットを最大限活かしましょう。

 

株は腐らない〜中編2〜

 

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