買いだけ続けているうちは、元本を買った口数で割れば、平均取得価額がわかります。
平均取得価額=元本÷口数
しかし、一回でも「売り」を行うと、この式では、平均取得価額を算出できなくなります。
売買(401kの用語ではスイッチング)を繰り返した結果として算出された平均取得価額が、401k運用サイトに掲載されます。
元本もサイトには掲載されていません。売買結果による平均取得価額に口数を掛けて得られる「取得価額」が表示されます。
×:平均取得価額=元本÷口数
○:平均取得価額=取得価額÷口数
売買するうちに、パッとみでは、損得がわからなくなってくるわけです。
取得価額、平均取得価額。よくわからなくなってきたかもしれません。
これまで述べてきたことは、法律的には、所得税法で定めた「総平均法に準ずる方法」です。
法律はともかくとして、直感的には理解しずらいですね。
売るだけでは平均取得価額は変わらないと、以前の記事で述べました。
さらに、今回述べたことは、直感での理解をさらに難しくしたのかもしれません。
もし、あなたが401kに興味を持ち始め、真面目に運用を開始したとします。
でも、一回でも「売り」をすると、平均取得価額が何を意味しているかわからなくなり、運用を投げ出してしまうかもしれません。
確定拠出年金(401k,iDeco,DC)は、積立投資を前提としています。
おそらくどの401kの運用サイトでも、元本(商品につぎ込んだ金額)までは表示されていないでしょう。
キャッシュの動きなんて見なくても良いという前提です。
ただ、真面目に損得をはじき出そうとすると、サイトに表示される情報だけでは足りません。
帳簿を付けてキャッシュの動向をウォッチしつづけなければ、資産状況の良し悪しは十分には判断できません。
帳簿を付けるなんて大変との声も聞こえてきそうです。
そうだとおもいます。
ただ、キャッシュの動きを追うと、「一見損にみえても実費で損していない」といったことがわかったりして、
「攻めの運用」に転じることができるのです。