これまで、ドルコスト平均法のメリットを二つの視点から述べました。
一点目は、一括取得に比べ低リスクだという点です。
相場につられて、商品の単価は上がったり下がったりします。
底値を狙うのは難しい。であるのなら、相場を気にせず、
定期的に拠出するほうが、手間もかからずマシだということです。
二点目は、定量購入法より優れているという点です。
定量購入法とは、同じ口数を定期的に取得する方法です。
同じ口数を取得するということは、結局のところ、単価の平均につられて取得するということです。
定量購入法での平均は「相加平均」、ドルコスト平均は「調和平均」と呼ばれます。数学的に、調和平均は相加平均より低くなることが知られています。
平均をみて投資するなら、”ドルコスト”と名の付く「平均」のほうが優れています。感覚的にも、単価が高いときは沢山、低いときは少しだけ取得するので、獲得する口数は多くなるのです。
では、ドルコスト平均法にはどんなデメリットがあるのでしょうか。
「高値も安値も均されるので安心」とはいかないのです。
市場が長期的に右肩下がりであれば、収益は低いということです。
平均が取得単価を下回る状況が続くと、損失となります。
401kは、超長期の運用です。
運用期間は、20歳で加入し60歳で定年を迎えるとして40年。
受給開始を70歳まで引き延ばせるので、最長50年は取り崩すことなく運用することだってできます。それほど長期の投資です。
最初の設定のまま放置するのは、あまりにも神任せです。
日経平均株価をみれば、1989年末につけた最高値38,957円から30年のスパンでみれば下げ相場です。
30年近くたった現在においても、その半値をうろうろする状況です。
一昨年、15年ぶりに2万円を超えたときは、驚きとともにヤレヤレといった感がありました。2万円を超えたといっても、10年後、20年後に振り替えれば、そこがピークで下げに転じているのかもしれません。
ジャスダックに目を転じてみれば、バブル期以来の高水準とのこと(日経2017/02/15)。日経平均とは様相が違います。直感や雰囲気で判断できるわけではありません。
これからもずっと、自分のお金を神任せにできますか。