まずは基本形、ドルコスト平均法4

ドルコストと名の付く「平均」とは何でしょうか。

 

平均といえば、通常、「相加平均」を指します。

数がいくつか与えられたとき、数を足して個数で割って得られる値です。

1.0,0.8,1.6,2.0,1.0の5つの数が与えられていれば、

(1.0+0.8+1.6+2.0+1.0)/5 = 1.28となるわけです。

小学校で習って以来、我々の頭に染み込まれた「平均」です。

 

実は、小学校で習った平均以外にも、さまざまな平均があります。

ドルコスト平均とは、数学の世界では「調和平均」と云われる平均です。

 

まず、調和平均の例をあげてみましょう。

車でどこかに出かけて帰ってきたします。

距離は10Kmです。行きは時速60Kmでした。帰りは40Kmでした。

往復トータルの時速はいくつでしょう?

 

答えは、時速48Kmです。えっ、時速50Kmじゃないの??

掛かった時間をちゃんと計算してから速度を導いてみましょう。

行きは、10Km ÷ 60(Km/時) = 1/6時間かかります。

帰りは、10(Km) ÷ 40(Km/時) = 1/4時間かかります。

往復トータル20Km走行したので、20 ÷ (1/6+1/4) = 48(Km/時)

となるわけです。

 

車の例を、数学の世界での一般式にあてはめてみましょう。

調和平均Hは、n個の数(x1,x2,x3,…)に対して、次のように定義します。

H = n / (1/x1 + 1/x2 + 1/x3 + ,…1/xn)

車の例では、H = 2/(1/60 + 1/40) = 48となるわけです。

 

では、ドルコスト平均法をみてみましょう。

前々回と同じく、5ヵ月間、毎月1万円を拠出するとします。

月別の単価と取得口数は、次のように推移するとします。

1ヵ月目:1.0円、10,000口

2ヵ月目:0.8円、12,500口

3ヵ月目:1.6円、 6,250口

4ヵ月目:2.0円、 5,000口

5ヵ月目:1.0円、10,000口

調和平均の一般式にあてはめてみます。月数と各月の単価を入れると算出できます。

H = 5/(1/1.0+1/0.8+1/1.6+1/2.0+1/1.0)=1.14円

となります。なお、月額拠出額10,000円をKとして分子と分母に入れて、

H = 5*K/(K/1.0+K/0.8+K/1.6+K/2.0+K/1.0)=1.14円

と考えたほうが意味合いがわかりやすいかもしれません。

 

数学的に、

相加平均≧調和平均

となることは一般的に知られています。

 

いわゆる平均(相加平均)では、前回記事で述べたように平均単価1.28円でした。

この一例だけでなく、数学的にドルコスト平均法では割安になることが広く知られています。

 

感覚的にも、単価が高いときには口数が少なく、単価が低いときには口数が多く取得していると実感できます。割安になるという感覚は自然に掴めるかとおもいます。

 

ドルコスト平均のメリットをこれまでみてきました。

では、デメリットは?

またの機会にみていきたいとおもいます。

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