元本を動かさず、平均取得価額を操作できる。
ただ、「平均取得価額を操作できる」は、注意が必要とも述べました。
今回は、その注意点を述べましょう。
前回の例題では、口数と元本 、時価、平均取得価額の推移は以下のとおりでした。
日 | 口数 | 元本 | 時価 | 平均取得価額
0日目 | 4口 | 12万円 | 3万円 | 3万円
1日目 | 10口 (6口買)| 24万円 | 2万円 | 2.4万円
2日目 | 4口 (6口売)| 12万円 | 2万円 | 2.4万円
はじめに持っていた金額(0日目の12万円)は、売買後においても同じ(2日目の12万円)と同じなのに、平均取得価額は、3万円→2.4万円に下がっている。
平均取得価額が下がった理由は何ですか。
それは、買う段階で、時価が下がっていたからです。
では、買う段階で、時価が上がっていたら、どうなりますか。
1日目に時価があがったとします。次のように推移したとしましょう。
日 | 口数 | 元本 | 時価 | 平均取得価額
0日目 | 4口 | 12万円 | 3万円 | 3万円
1日目 | 10口(6口買)| 36万円 | 4万円 | 3.6万円
2日目 | 4口(6口売)| 12万円 | 4万円 | 3.6万円
平均取得価額が、3万円→3.6万円に上がってしまいます。
むやみに、売買すれば、平均取得価額は上がる危険性があるというのが、
注意すべき点です。