逆イールドの懸念、FFレート0.75%上積みで今年はスタート

今年は大発会から爆進です。日経平均株価は節目の2万3000円をアッサリ飛び越えました。本日ようやく一服で23,788.20円です。

2万4000円も視界に入ってきました。日経平均PER(株価収益率)は15.73。割高感が出てくる16台まではもう少し伸びしろがありそうです。

上昇相場が昨年から続いています。年初めの雰囲気は去年も今年もイケイケ・ドンドンです。

でも2017年と2018年で明らかに違う大事な一点があります。米国金利です。




米国金利

米国政策金利(FFレート)は、昨年は3回にわたり0.25%ずつ引き上げられました。結果として現行1.25〜1.50%です。

つまり昨年初めとは、事実として0.75%上積みされた金利で今年はスタートしています。

一方、米10年債券利回り(長期金利)は昨年も今年も2.5%近辺でのスタートです。

政策金利は着実に上がり、長期金利はさほど変わらない状況です。

 

イールド・カーブ

なかなか難解で取っつき難いですが、イールドカーブという概念は重要です。日銀が現在取っている目玉政策は「イールド・カーブ・コントロール」と呼ばれています。この概念をボンヤリとでもイメージできると、経済・金融関連の記事を読むのが楽しくなります。

出典:SMBCフレンド証券

横軸に満期までの期間が短い債券から順に並べます。米国の中長期国債なら2,3,5, 7,10,30年の順に並べます。そして各満期の利回りを縦軸とします。満期と利回りをプロットして結んだ曲線がイールドカーブです。

将来は見えません。一般的に満期が長い債券は視界不良であるので安値で取引されます。安値なので利息をたっぷり付けてあげないとと売れません。満期が長い債券ほど利回りは高くなります。上の図における順イールドの状態です。

一般庶民の懐寒く物価が上がらない状況では、金利を抑えないと景況感は高まりません。リーマンショック後、先進国の中央銀行は満期の長い債券の利回りを押さえ込んで景気回復を図ってきました。イールドカーブをフラット化させる政策を取ってきました。

現在の日銀は、フラット化に向かうカーブをなんとか順イールドを保とうと躍起です。カーブの勾配を一定に保とうとする金融政策が「イールド・カーブ・コントロール」です。10年債券利回りを0%均衡に据え付けることで勾配をコントロールしています。

危険な兆候、逆イールド

ここ最近心配されてきたのが米国債の逆イールドです。遠くは見えるのに近くはボヤける、まるで老眼にでもなった心境です。

マネーは金利の高い国に引き寄せられます。米国の政策金利引き上げによって、世界のマネーは米国に向かっています。

米国に引き寄せられたマネーが、投資に向かえば経済が活性化され健全な状態です。でも現在マネーが向かう先は長期国債です。リスク資産にマネーは向かわず、国の借金である債券に群がっています。

つまり政策金利と連動性の高い短期国債の利回りは高くなり、長期国債の利回りに下落圧力がかかる逆イールドへの流れが強まっています。

今年は、昨年より0.75%高い政策金利のもとでスタートしました。株式市場のムードは同じだとしても、イールドカーブでみた状況は随分違います。

米10年債券利回りが現状と変わらない2.5%程度の状況が続くなら、今年予想されている3回の米政策金利によってイールドカーブはフラットになってしまいます。そうした状況に対して、マーケットは心配しはじめました。

過去にもITバブルやリーマンショック前に逆イールドがされているので、懸念が高まっています。

まとめ

確定拠出年金は、ほったらかしておくと売り時を見極めるのが大変です。トレンドに合わせて毎日スイッチングするが実は楽だと私はおもっています。ただ手間がかかるので誰でもできる運用ではありません。

ほったらかしにしておくなら、金利の動向だけでも眺めておくと良いと思います。




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