4/10週振返り:ルーブルもとの鞘、経済制裁の効果危し

ウクライナ首都キーウ(キエフ)周辺への侵攻は残忍な爪痕残し後退したものの、東南部に戦力を集中したロシアの猛攻で要所マリウポリが陥落寸前です。相次ぐ経済制むなしくロシアの軟化が進みません。。

ルーブルは対ドルで侵攻前の水準に戻しています。侵攻直後に一気に2倍近く上げて20%とした政策金利を4/11には17%へと引き下げました。個人による現金外貨購入を再開するなどの資本規制の緩和にロシアは踏み切っています。

エネルギーを禁輸できないとあっては経済制裁がなかなか効かないです。天然ガスを米国が欧州へ船で運ぶからといって、パイプラインで繋がるロシアからの輸入のほうが格段にコストが安いはずです。
ロシアへの経済制裁が当初期待されたほど効かない理由

イデオロギーが違えどパイプラインでの連結でドイツをはじめとする西欧はロシアとの和平安定を深化させてきました。その流れを米国は良しとしません。ドイツ北バルト海を通る「ノルドストリーム2」の建設に反対の姿勢をとり続け、それでも完成に漕ぎ着けました。いよいよ稼働の承認に入る段階にきていますが、米国は1月に制裁強化に乗り出しました。
ノルドストリーム2制裁強化法案、米政権「対ロ結束に悪影響」
ウクライナで繰り広げられるロシアの蛮行は断じて許せません。ただ、侵攻をなぜ止められなかったのか?やはりノルドストリーム2への米国の強硬姿勢が仇となっています。
ドイツは侵攻後しぶしぶ稼働承認を見送りました。この問題でやりきれないのはウクライナの立場です。ウクライナ経由のパイプラインからの天然ガス供給が先細る懸念から、ノルドストリーム2には反対しています。ゼレンスキー大統領はドイツでのオンライン演説では支援を求めつつも、ロシアからのエネルギー輸入には強い不快感を示しています。

ロシアは西側諸国からの経済制裁を受けても、中国やインドを通じて世界に輸出しています。OPECプラスには際立った動きがなく、サウジアラビアやUAEと手を取り合い世界の原油供給量をコントロールしています。西側諸国が中心となって推進するカーボンニュートラルの流れは産油国にとっては脅威になりかねません。
ロシアに対して一枚岩で対抗できないのが現状です。

4月になり北半球ではトウモロコシに大豆にと作付けシーズンです。侵攻によりロシア、ウクライナで作付けができなければ食糧供給が窒息します。世界的インフレに追い討ちをかける食糧危機。すでに世界の食糧価格は最高水準です。
世界の食料価格、3月は過去最高=国連機関
スリランカでは食糧価格が高騰し、対外債務返済停止に追い込まれています。やりきれません。。

 

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