あらかじめ見えているリスクには警戒しよう!
シリア問題はサプライズではなかった
今月4月のシリア問題は、アサド政権が化学兵器を使用したとの疑惑で4/13、米英仏はシリアを爆撃しました。3月に起きたスパイ殺害などで欧米やとロシアの関係が悪化していた中で、ロシアを背後に成り立つアサド政権が暴挙に出たのかもしれません。
でも、どこまでも疑惑の闇。たしかに昨年も4月にオバマ政権では踏み止まっていたシリア爆撃をトランプ大統領は敢行したわけですが、このタイミングでシリア問題が先鋭化したのはサプライズでした。
ただ、「1回限り」を強調して米英仏は爆撃したこと、しかも週末に実施したことで、週明けのマーケットはほとんど揺さぶられませんでした。シリアの一般の人たちの写真や映像をみているとやりきれませんが、マーケットの反応は全くもって薄かったです。。
シリア問題で原油高
4月に入ってWTI原油は66ドル台を再びではありますが急激に突き抜け70ドルに接近しています。
原油高→インフレ懸念→米10年債3%突破→株式相場軟調
の展開です。
シリア問題に端を発した原油高でしたが、世界経済の問題にすり替わってしまった感です。
忘れてはいけないのが、原油高の背後にあるもう一つの要因、イラン核合意破棄の懸念です。ロシアとともにシリアを支援するシーア派イランを巡る問題です。
イラン核合意の破棄問題は想定済み
オバマ前大統領のレガシーであるイラン核合意を、米トランプ大統領が破棄しようとしています。5/12を期限に定め、合意内容の見直しをトランプ大統領は迫っています。
昨年5月もイラン問題で揺れました。イラン大統領選で、核合意を進めた現職ロウハニ氏が保守派を破り5/20再選でした。イラン国内では核合意が支持された格好でしたが、トランプ大統領が破棄を明確にしたならば、再選は危うかったです。
シリアの化学兵器使用疑惑がサプライズだったとしても、イラン問題は1 年前から想定されていたことです。
イラン核合意破棄の問題は待ったなしの状況です。4/26日経新聞『米欧、視線はイラン利権』によれば、仏マクロン大統領は訪問中の米国で、イラン核開発を抑える新たな提案を示しました。トランプ大統領の勝手気ままをなだめにかかっています。長年の協議で得た核合意を欧州は守りたいです。
まとめ
イラン核合意破棄の問題は、あらかじめ予定されている地政学リスクです。マーケットには試練です。
好決算で株式市場は上昇ムードもでてきてますが、地政学リスクが依然くすぶっています。確定拠出年金のスイッチングは慎重なままです。