9/18週振返り:「痛み」の各国応酬、身動き取れず24年ぶり円買い介入。。

9月FOMCで米国は市場予想通り0.75%の利上げを敢行しました。ペイン、ペイン、ペイン。。インフレ退治のためなら景気後退の「痛み」を厭わないスタンスをこれでもかと市場に刷り込んでいます。
スイスが0.75%利上げでマイナス金利を終了、スウェーデン1%利上げ、英国0.5%利上げと中銀会合が集中した今週は各国の痛みの応酬が止まりません。

それに引き換え日本が置かれた状況はますます惨めになっています。
指値オペはもはや機能不全のようです。利回り0.25%にある10年債の価格が高すぎるとみている市場は2営業日連続で売買をやめてしまっています。
アングル:10年債の売買成立せず、初の2営業日連続 日銀オペで市場機能低下
そしてついに24年ぶり円買い介入です。円売り介入と違って外貨準備を切り崩すので無制限というわけには行きません。米国債を売れば日米金利差拡大で円安を助長することにもなりかねず、繰り返し介入するわけにもいかないでしょう。
24年ぶり円買い介入、「過度な変動は見過ごせず」と鈴木財務相

円安のメリットをもっと活かせないものか。海外進出に熱心だった企業の「国内回帰」が本格化してほしいです。
資源高がネックだとか反動で急激な円高で返り血を浴びるリスクだとかで話題はぼちぼちですが、賃金水準や安全保障面を加味すれば中国より国内で生産したほうが安く生産できるとみる企業も出てきています。
アイリスオーヤマが「日本の工場」へ回帰…企業の「国内回帰」で、日本経済に起きること
ダイキンが脱・中国依存へ サプライチェーン再構築、覇権主義のリスク懸念で国内回帰 台湾有事=日本有事に備え「民生品に限らず待ったなし」
海外子会社が稼いだ利益を本国へ還流させる(リパトリエーション)にあたってかかる税金を減免する「リパトリ減税」で、米国はかつて通貨安を食い止めています。「新しい資本主義」に向けた強力な政策になりそうです。
コラム:進む円安、抑止に「リパトリ減税」という処方箋=唐鎌大輔氏

ウクライナへの侵攻を「特殊軍事作戦」と称しきたロシアが動員令を発動するに至り「戦争」を認めた感です。
トヨタはついにロシアでの自動車生産をやめました。
トヨタ ロシアの工場を閉鎖へ 日本の自動車メーカーで閉鎖は初
グローバリゼーションが行き詰まりブロック化の波が押し寄せています。円買い介入といった小手先の金融政策ばかりでなく、歴史的な円安をバネに企業の国内回帰を促す政策が促進し「失われた30年」ともいわれる停滞から脱却する好機となってほしいところです。

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