12/26週振返り:最後まで強かったS&P500が4800、年間27%高

米株が最後まで強い1年でした。年末商戦も好調とのことでS&P500は一段高4,800をつけ、年間では27%上昇で2021年を終えました。
昨年の大統領選でのバイデン氏勝利と議会ねじれ解消のトリプルブルー実現に沸く上昇ムードのなか2021年はスタートしました。3月には2兆ドル規模のコロナ追加経済対策が成立して上昇の支援材料が加わりました。

5月には米4月CPI(4.2%)で激震、以降インフレの行方に悩まされます。一方、地政学リスクには無頓着だった印象です。8月のアフガニスタン撤退では、それ以前にタリバンが勢力を広げ政権は事実上崩壊してしまいました。

9月後半には中国不動産大手・恒大不動産の破綻危機がクローズアップされ、30兆円ともいわれる負債額がリーマンショックの再来を予感させました。その最中FRBはテーパリングの開始を決め、いわばダブルパンチで今年はじめてといってよい大きな下げをS&P500はみせました。

それでも10月後半には好調な四半期決算発表を手掛かりに上昇に転じます。

インフレが収まりません。
年初からの半導体不足は当初夏場には解消するとのことでしたが依然逼迫しています。米西海岸にはコンテナ船が入港できず大行列です。コロナによる昨年の生産・物流のストップが結局この一年尾を引きました。カーボンニュートラルの流れが原油の開発投資・生産を停滞させました。雇用の面でも想定外です。追加経済対策でたっぷり助成があるのか株高だからか復職の波が小さく米国では労働力不足に陥っています。
生産・物流の混乱、原油をはじめとする資源高、労働力不足による賃上げ圧力がインフレを強固にしています。
FRBはこれまで「インフレは一時的」との主張を貫いてきましたが、11月にその主張を取り下げました。

12月発表の米CPIは6.8%、でも39年ぶりの高水準にもかかわらずマーケット予想の範囲にとどまったとの見方でS&P500は史上最高値を更新しました。インフレ自体はもう織り込み済みです。

米企業業績が好調のうちは上昇トレンドは変わりそうもありません。年が明けて1月中盤からは四半期決算発表がはじまります。年末年始の売買薄で乱高下はあっても惑わされず取り組んでいきたいとおもいます。

 

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