インデックス投信に馴染むと「スチュワードシップ・コード」に違和感も

投資の知識がなく確定拠出年金をはじめた頃は、「インデックス投信」の概念に違和感を持ちました。

相場の波に合わせ忠実に基準価額が決まるタイプの投資信託です。相場が下がっても投資信託を提供する運用サイドは頑張ってはくれません。「信託報酬」という名のマージンを上乗せすることで運用サイドが頑張ってくれる「アクティブ投信」の方が、直感的には理にかなっているように感じました。

でも実際には、インデックス投信の人気は根強いです。信託報酬に見合ったパフォーマンスをアクティブ投信はなかなか発揮してくれないからです。運用者の頑張りにも関わらず相場の波に任せた方がパフォーマンスが結構良いからです。

今回取り上げる「スチュワードシップ・コード」は理念としては誰もが賛同するはずです。

でも、今ではインデックス投信の概念に馴染みきっている思考の立場からみると、スチュワード・コードって、なんだか違和感も覚えます。




スチュワードシップ・コードで持ち合い株解消進む

スチュワードシップ・コードは、投資家の行動規範を示す指針です。金融庁が2014年に制定しました。銀行や保険会社、年金機構などの機関投資家に対して、企業とのぬるま湯の関係を断ち切らせ長期的な視点からの投資を促す狙いです。「株式を保有する理由」を機関投資家に開示させたり、株主総会での「物言わぬ株主」からの脱却を促します。そうしたことで、たとえば機関投資家と企業間で互いに持ち合っていた株(持ち合い株)の解消が進み適正な株価に収斂していくことを目論んでいます。

昨年後半より株高が続いています。株高に乗じて持ち合い株の解消が進みました。スチュワードシップ・コードが、解消を後押ししたと言われています。

 

企業との建設的な対話が運用サイドに求められている

日経ヴェリタス12/24号『企業年金、受け入れに消極的』によれば、スチュワードシップ・コードは、この5月に年金基金や保険会社といった「アセットオーナー」の役割の記述を増やすなどの改定が行われました。

ところが、アセットオーナーとして期待される企業年金の動きは消極的のようです。「顧客・受益者(最終受益者を含む)の中長期リターンの拡大を図る」との表現が改訂版には登場します。中長期リターンのため、企業との建設的な対話が求められています。でも、

・建設的な対話が本当に中長期リターンに結びつくのか?

・結びつかなければ顧客・受益者のためにならない

といった矛盾する考えが運用サイドの現場にはあるように当記事を読んで感じました。

 

受け入れされるには時間が掛かりそう

「企業年金は加入者や受益者のために尽くすのが仕事。コードに沿って建設的な対話をするのが仕事の目的ではない」という関係者の声が当日経ヴェリタス記事に登場します。

いっけん乱暴な発言に聞こえますが、インデックス投信が取るべきスタンスを現した声と同じだとも感じます。

株価指数に忠実に沿って運用サイドが売買するのがインデックス投信。「建設的な対話」と称して運用サイドが暴走してしまっては、株価形成を故意に歪めてしまいかねません。

スチュワードシップ・コードの理念には賛同できても、運用サイドが受け入れるまでには時間が掛かりそうです。

 

まとめ

スチュワードシップ・コードは、持ち合い解消に対しては効果がみられました。今求められている「企業との建設的な対話」は、中立的な立場を崩さずいかに中長期的な視点を見出せるかに掛かっているのだと思います。建設的な対話の中身が今後はクローズアップされるのだ思います。

インデックス投信は人力を排除して機械化を追求した投資信託です。AI投信も普及が進んでいます。自動化の趨勢にあって、スチュワードシップ・コードのあり方は今後とも問われ続けるのだと思います。




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