「脆性」の建築関連の人には馴染みのある言葉だと思います。反意語は何でしょうか?「靭性」です。ジンセイと読みます。どちらの用語も常用漢字にない文字が混じっているので読めなくて当然です。
脆性とは訓読みにすれば、もろさ(脆さ)です。IT業界の人は、セキュリティが破られたときに、「システムの脆弱性がなかった」とか嘆くので、脆の字の認知度は意外と高いのかもしれません。
靭性のほうは、建築関連の人でないとなかなかピンとこないと思います。靭性とは一言でいえば、粘り強さです。「鉄はコンクリートより靭性が高い」とかいう使い方をします。大地震で壊れた建物を思い出してみましょう。コンクリートは脆く(もろく)壊れても、グニャッと曲がった鉄筋は辛うじて繋がっている、あのイメージです。
どうも英語には脆性の反意語はなさそうです。「反脆弱性(アンティフラジャイル)」というタイトルの邦訳本が刊行されました。アンティフラジャイルは、著者の造語とのことです。
ゴメンなさい、まだ読んでいません
8/26日経新聞の書評で、はじめてこの著書の存在を知りました。この記事で述べる情報は、当書評とネットから得た感想に基づいています。ただ、このブログで唱えてきた確定拠出年金(401k,iDeCo,DC)の運用手法とどうも近い考え方のようなので取り上げました。著者が何を書いていようと、「反脆弱性」というキーワードから思ったことをここでは書きます。後日、著作を読んだ上、続編記事を書きたいと思っています。
ブラック・スワンなら読みました
当著者ニコラス・タレブ氏の『ブラック・スワン』は読みました。ブラックスワン指数という指標もあり、投資の世界では有名です。
ブラックスワンとは黒い白鳥です。白いからこそ美しく優雅な鳥なのに、なんと黒の同種がみつかってしまった。1967年にオーストラリアで同種が発見されたとき、欧州では大変な驚きだったそうです。「予期せぬことだからといって、舐めてかかってはいけない」、そんなメッセージを発する著書です。哲学的な文体で読み辛かった記憶があります。当時、ブラックスワンが”投資用語”とは知らずに、図書館で借りてきたから基礎知識もなく難解だったのでしょう。話は少しそれますが、学生の頃、中国の文革を生き抜いた女性の著書『ワイルド・スワン』から受けた深い感動が湧きあがり、似たようなタイトルの『ブラック・スワン』に興味が湧き、図書館から借りて読んだことよく覚えています。
まとめ
ブラックスワンあっての「反脆弱性」です。予期せぬ事象に遭遇したとき、どう向き合うのか。まともにぶつかっては、脆く壊れてしまいます。大地震の噴煙たち止まぬ合間にみえる、僅かに繋がった鉄筋を、「反脆弱性」という言葉から感じ取りました。
100年に一度といわれたリーマンショックには、私をはじめとする個人投資家は無力です。でも繋ぎとめる術(スベ)は頭を振り絞って考えておくべきです。
大勝ちは期待できませんが、相場の波に合わせて売買(スイッチング)する順張り運用でコツコツ利益を上げるのが良いと考えています。ブラックスワンの到来を一早く察知できるからです。
ブラックスワンに立ち向かうためのノウハウは、
をご参照ください。