ネット直販D2Cの波、ZOZOはヤフーに電撃吸収

衣料品通販サイトのZOZOは9/12、ヤフーへの買収を電撃的に発表しました。有名ブランドの撤退が相次ぐ「ぞぞ離れ」が進み、採寸用スーツ「ゾゾスーツ」ではPBブランド戦略に見直しが迫られるZOZOでしたが、転身の速さに驚きました。

かつて、採寸用のモビルスーツを私も取り寄せ着てみました。黒地に白玉のもじもじくん。。ぶざまな体型をさらし恥ずかしいおもいをさせておきながら採寸の精度は悪く、けっきょくはスーツ購入には至りませんでした。門外漢ながらECビジネスの難しさを案じました。

翌朝9/13の日経新聞には、ZOZOの電撃買収がデカデカと記事になっていました。そして同日の別記事ではキリンや資生堂が仕掛けているネット直販D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の動向に目が留まりました。

これらの記事からプラットフォーマーの危うさを垣間見ました。




ZOZOはヤフーに買収

日経新聞9/13『ヤフー、国内EC「万年3位」返上へZOZO買収』によれば、ヤフー側からすればZOZOが抱える20~30代の顧客層に魅力があったようです。ネットサービスの先駆けであるヤフーは利用者の中心が30~40代で、アマゾンや楽天よりも高齢化しているとのことです。

ヤフーというより巨大なプラットフォーマーにZOZOは呑みこまれた格好です。

ヤフーといえばソフトバンク傘下で、子会社のアスクルの社長否認で8月に騒がれたばかりです。剛腕に任せてZOZOの個性的な体質がそぎ落とされると、せっかく獲得した20~30代の顧客層が逃げていってしまうのではないかと心配になってしまいます。

 

ネット直販D2C

日経新聞9/13『企業、ネット「直販」に軸足』によれば、大手のネット通販サイトを介さず消費者に直接リーチするD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の商流が強まっています。消費者との関係を深めやすいほか、大手サイトへの手数料を省けるといいます。

通販サイトの「素通り」への懸念をアマゾンや楽天などのプラットフォーマーは懸念しはじめています。集客力や物流ではプラットフォーマーが勝っていても、SNSマーケティングが広がりをみせる状況にあってはD2Cへの注目が高まっているようです。

 

まとめ

プラットフォーマーは自社物流の割合を広げようとしています。日経新聞9/13『楽天やアマゾンは警戒 物流・海外販売を拡充』によれば、楽天は2021年までに自社物流の割合を5割に広げる計画があるとのことです。

値上げによって好業績が期待された運送業のヤマトホールディングスは、日経新聞8/1『ヤマト、値上げ裏目に』によればアマゾンなど大口の法人からの荷物数は伸びず4~6月の営業利益は61億円の赤字です。9/15一面記事では、大和ハウスはネット直販に乗り出す小売業の増加を見込んで物流施設の開発に5,000億円を投じます。

D2Cの波は、プラットフォーマーばかりか物流にまで再編を促す大きなうねりとなっています。