自粛反動、米小売5月17.7%増にどよめく

経済再開が数字にもあらわれてきました。

6/16発表の米国の5月小売売上高が前月比17.7%で過去最高でした。これに反応してNYダウは526.82ドル高をつけどよめきました~

 

新型コロナの感染者数は全世界で800万人を超えています。南米を中心に拡大は衰えず、経済活動を再開した米国では増加に転じています。「第2波」への警戒は高まっているものの、景況の底打ち感を足掛かりにして株式相場は上昇基調を保っています。




失業給付が牽引??

日経新聞6/18『米中「リベンジ消費」』によれば米国の小売売上高は、4月に記録した過去最大の下げ幅から一転、統計開始の1992年以来過去最大の上げ幅でした。ネット販売が占める比率は4、5月ともに約3割で、3月までの2割強から急増しているとのことです。加えて実店舗の販売も伸びているようです。

ただ、消費が急増した背景には政府支援の影響もあるとの見方です。米政府は失業給付の拡充や最大1200ドルの現金給付を進めたことで、4月の個人所得は前月比で10.5%増え、コロナ前を上回っているとのことです。

失業給付の増額措置は7月末に期限をむかえます。期限後の落ち込みは見込んでおいた方がよさそうです。

 

後日談6/26:

「リベンジ消費」なる用語を新聞紙面でよくみかけるようになりました。日経新聞の造語ですかねぇ〜

中国では6月商戦

中国では11/11の「独身の日」につぐ巨大商戦が6月に繰り広げられます。6/18はEC大手の京東集団(JDドットコム)の設立記念日で、それにちなんでネット通販各社の大安売り合戦がおこなわれます。
日経新聞6/20『
中国ネット販売 果てしなき消耗戦
』によれば、JDドットコムは取扱高が過去最高の2692億元(約4兆円)だったとのことです。100億元のクーポン券が配られました。今回は地方政府も地元の景気浮揚策にと一部負担したようです。

巣ごもり消費が後押ししたものの、巨大バーゲンに慣れてしまった消費者の行動に影響された側面もあるようです。日用品を大量に買い込み「独身の日まで新たに買わなくて済む」と話す主婦を記事では紹介しています。
需要の先食いの感が否めません。

まとめ

日本でも6/19発表の6月月例報告では「下げ止まりつつある」との認識を示し、2年5ヵ月ぶりとなる景気判断の上方修正でした(日経新聞5/20『景気「悪化」削除でも警戒感』)。

自粛の反動で世界各地で景気の底打ち感がみられます。しかしながら、失業給付や安売り頼りが演出する様子がうかがえます。株式相場は上昇基調を保っているものの、一過性の消費上昇の先を見越してこれからは軟調に推移するかもしれません。