ついに米中貿易「第1段階の合意」の調印にいたる

米中貿易摩擦は、節目のときはブログ記事にしておかないとキャッチアップするようにしています。

微妙な駆け引きが積みかなりどんどん複雑になっていきます。一目で善し悪しを判断できません。だからといってほったらかしておくと、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と突っ込まれそうです、、w




部分合意の「第1段階」に調印

2018年7月よりはじまった両国の貿易摩擦は、第3弾の関税合戦を繰り広げたのち、昨年秋からは部分的な合意へ向かいました。

そして並行して、香港にそしてウイグルでの人権問題への米議会の圧力が高まりました。中国にとっては問題の存在すら認めがたいものです。12月上旬には部分合意は遠のいた感にもみえました。以下はその間のブログ記事です。

部分合意「第1段階」をめざす米中摩擦、ややこしい。。

12月第4弾は合意なくても延期?香港人権法に署名

それでも中国は国内景況の停滞、米国は大統領選を控え、互いに目に見える成果を必要としていました。

12月中旬に予定されていた制裁関税「第4弾」は回避され、1/15に部分合意「第1段階」の調印にいたりました。

 

合意内容

これまでの係争は、輸入に対しての関税の引き上げでした。今回の合意は関税の問題に限りません。1/17日経新聞『米の対中合意 効果限定的』によれば、7項目に分け以下の結果、米国が実際に得られた評価を◯△×で記しています。

合意文書の7項目

1)輸入拡大◯:2年で合計2000億ドル
2)履行検証◯:合意違反を協議で解決できなければ米国が対抗措置
3)農産品△:科学的な食品安全規制など非関税障壁を削除
4)金融サービス△:証券会社や保険会社等へのお返し規制を撤廃。1部は撤廃時期を前倒し
5)通貨△:競争的な通貨切り下げや為替レート目標の操作を控える
6)知財保護×:企業秘密窃取の取り締まりを拡大
7)技術移転×:外国企業の強要、圧力を禁止

 

とくに1)輸入拡大の成果が大きくアピールされています。同日の日経新聞1面『「管理貿易」ゆがむ世界』に、2年のうち1年分(2021年)の額が図になっています。

2017年比で、2021年は中国が約2000億円の米国からの輸入品を受け入れるとなりました。内訳は、

農産品195億ドル

サービス251億ドル

エネルギー339億ドル

工業品448億ドル

です。これにより米国の貿易赤字が3372億ドルから約2100億ドルに減る見立てです。

 

まとめ

早くも第2段階の行方を株式相場は気にかけています。ただ、米大統領選の11月以降に合意の見込みです。両国の覇権争いは続くでしょうから、しばらくは貿易以外が焦点になるかもしれません。