ムニューシン1年振りの大きな発言、中国に追い風吹くか

昨年1月ダボス会議中のムニューシン米財務長官によるこの発言で、2018年のトレンドは決めたといってもも過言ではありません。
弱いドルは米国にとって良いこと=ムニューシン米財務長官

ドル安容認発言を境に米10年債利回りは2月はじめにかけて2.6%台から2.8%台へと急上昇しました。この水準を超える利回りは現在の株式市場には厳しいです。昨年は2月と10月に世界的な株安が勃発しました。

 

今年もこの時期(※)、ムニューシン氏から大きな発言が飛び出しました。
米財務長官、中国に対する関税撤廃を提案=WSJ
今回は貿易摩擦でヘキヘキする状況が続くなか、中国に追い風となるかもしれません。

※米政府機関閉鎖のため、今年のダボス会議は米政府代表団の参加はないようです。




厳しさ増す中国

今年2019年は元旦から中国が話題を振りまいてくれています。

1/1発表の中国製造PMIは50台を下回りました。1/2にはアップルが中国での販売不振を明らかにし10-12月の販売実績が予想を下回るだろうとの見方を示しました。アップルショックで、1/3早朝にはドル円が1ドル109円台から104円をつけるフラッシュクラッシュが起きています。

1/14発表の12月期中国貿易統計は、中国の貿易の不振を改めて明らかにしました。日経新聞1/15『中国輸入額前年割れ 対米不振、追加関税響く』によれば、輸出額は前年同月比で4%減、輸入額は同8パーセント減です。市場予想はどちらもプラスでしたので、サプライズとなりました。

中国は対策に必至

1/4、中央銀行にあたる人民銀は金融緩和策を打ち出しました。金融機関から強制的に貯金の一定割合にかける貯金準備率を1%下げると発表しました。1/15と1/25の2回に分けて合わせて1%引き下げます。去年1月以降5回目の引き下げとなりますが、今回は資金供給規模としては最大になるようです。

地方債の発行を急ぐよう中央政府が指示、AI・IoT、通信5Gの促進を促すなど、景気減速を牽制する発言が中国当局からあいついで飛び出しています。

1/7からの米中協議では予定を1日増やし高いを図ったようです。これについては何が決まったかは明らかにされていませんが、さらなる悪い材料が出てきていません。

 

上海総合は1/4に2400台に一時的に突入しましたが、これらの対抗策で何とか上向き加減で暴落を免れています。

対ドルで元高傾向です。1/4の貯金準備率引き下げを受けて大きく元高に進みました。昨年11月には1ドル= 7元超えも危ぶまれましたが現在は6.7付近で推移しています。

 

まとめ

12/1の米中首脳会談では、米国が2000億ドル(約22兆円)分の中国製品にかける追加関税10%を1/1から25%に上げることを見送りました。それと引き換えに期限を90日と定め協議する方針となっています。

まだまだ予断を許さない状況ですが、米中ともに歩み寄りの気配がみえてきました。