WTI先物55ドル台までダウン、10月から下落の一途

原油は株式よりも荒い動きが続いています。

10/3の1バレル=76.90ドルの年初来高値をピークに、WTI 原油先物は下落の一途です。55ドル台まで落ち込みました。25%を超える大幅下落です。




原油原産国にからむ出来事

10/2、サウジアラビア人記者がトルコにある自国の大使館から失踪した事件が発覚しました。事件発覚当時のサウジアラビアは、原油価格の操作をちらつかせさらなる原油高も見込まれました。事件が起こった当事国のトルコは小出しに情報を発表し、サウジアラビアを揺さぶります。直近では、米国CIAはサウジ皇太子の関与を断定したとの報道まで出てきました。米国は亀裂が生じ、サウジアラビアの思惑通りには全く行きません。

 

11/5発動のイラン経済制裁第2弾が反転のきっかけとなると思われてました。イラン産原油の供給がストップする事態は原油高の圧力となるはずでした。ところが発動直前になって、日本を含む8カ国がイランからの禁輸の除外となりました。米国への各国の政治圧力があったのかと思います。


ぱそたく

景気減速の懸念

原油価格は景気減速を織り込み始めているのでしょうか。

 

今年最大の政治イベント11/7米中間選挙は、事前世論調査どおり上院は共和党、下院は民主党が過半数を占める「ねじれ」となりました。大統領の思惑通りにはことを進められなくなり、トランプ・ラリーはいよいよ転機を向かえるのかもしれません。

 

IMFは10/9、2年ぶりに世界経済の成長見通しを下方修正しました。今年と来年の成長率を3.7%とし、3.9%から下方修正しました。

IMF、世界経済成長予想を2年ぶり下方修正-貿易戦争の打撃で

貿易摩擦が続けばかなりの打撃になるとIMFは分析しています。

 

10月後半からの四半期決算では、先行き懸念から株式相場は暴落続きです。これまでの相場を牽引してきたIT・ハイテク株は暴落です。アマゾンは決算発表後7.8%下落しました。アップルは時価総額1兆ドルを割り込みました。 10月初めに8,000ポイントあったナスダックは、今や7,000を割り込んでいます。

 

まとめ

12月には半年に1度のOPEC総会が控えています。2017/5にはじまった協調減産は、米トランプ大統領の原油高を牽制する露骨なツイートもあって、前回総会で緩和に踏み切りました。でも、原油は供給過剰が懸念ばかりが強まっています。今回の総会では緩和解除に向かってもおかしくない状況です。