新型肺炎で大暴落、401k構成比率を振り返る

世界的な新型肺炎の感染拡大により、株式市場は暴落の真っただ中です。

2月中旬には3万円超え間近と期待されたNYダウでしたが、欧米での感染拡大に至り2/25は1,000ドルを超える大暴落でした。一週間で3,000ドル超の下落で、2月末には2万5,000円台に沈みました。

3月に入っても揺れに揺れ、NYダウは3/7終値で25,864.78ドルです。

3/3にはFOMCは0.5%の緊急利下げでした。米利下げがこの局面の回復のトリガーになるかと思いきや、当日は785.85ドルの大幅安でした。
政府からの臨時休校の要請を受け、3/2から多くの小中高校で休校しています。イベントの自粛が吹き荒れています。経済は完全にマヒしました。

株式相場はリセッション入り(景気後退)を警戒し、さらなる暴落もありうるとの見方を強めています。




NYダウは2万6000ドル付近で均衡していた、この半年が異常

この新型コロナで株式相場は大打撃を受けているわけですが、そもそもとして米国市場は史上高値圏で推移していて、いつ下落局面に入ってもおかしくない状況でした。
トランプ政権に入りNYダウは2万ドルを突破し大きく上昇したわけですが、おおむね2万6000ドル前後で均衡しています(下チャートは2010/03/04時点)。

2016年11月の大統領選でトランプ氏が当確して以来、いわゆる”トランプ・ラリー”で上昇相場です。2017年12月には史上最大の大型減税を決め、翌2018年1月に1回目のピークをむかえました。
その後、アルミ・鉄鋼の関税引き上げを皮切りに、中国への貿易摩擦を仕掛けました。2018年7月に対中国製品への「第1弾」追加関税を発動し中国も報復関税に打ってでました。その間までの相場は下り基調でした。
貿易摩擦のダメージは相対的に米国が少ないとみた相場は、その後上昇に転じました。

2018年10月に2回目のピークがやってきます。
ところがグローバル化した経済のもとでは、個々の企業にとって米中どちらが有意かわかりません。米国の政策金利引き上げは続き、米国10年債利回りは3%を超えていました。貿易摩擦の企業業績への悪影響から2018年12月にはNYダウは2万2000ドル台まで落ち込みました。

ここから再び息を吹き返したのは、米中摩擦の緩和に向けた合意への期待です。さらには米国が政策金利の引き下げに方向転換したことです。2019年8月には2年債と10年債の間で「逆イールド」が発生するなど、市場からは利下げの要求が高まりました。

3回の利下げが実施されました。そして9月には短期市場への資金大量供給をはじめ、「隠れQE」とも揶揄される金融緩和策を開始しました。その効果で、この半年はさらに上昇し、2020年2月にはNYダウは3万円間近まで迫っていました。自社株買いで無理くり押し上げる相場です。いわば3回目のピークでした。

2019年12月に中国・武漢で新型コロナウイルスが検出され、2020年1月には中国で瞬く間に感染が広がりました。2月には日本を含むアジア、そして世界へと感染拡大の勢いは留まる様子をみせません。現在はこのピークからの下落局面です。

401k構成比率を振り返る

先に述べた2回目のピークのころ、こんなブログ記事を書いていました。

吹っ切れ感、世界の株式市場はリスクオン!

この記事に当時の401kの構成比率を載せていました。2018/09/21時点です。2005年からはじめていますがその時点の初回入金来運用利回り(以下、利回り)は5.17%です。

日本株式(ベンチマークはTOPIX)が5割強の比率を占めていました。

そして、2020/03/06時点(3回目のピーク後)です。利回りは3.98%です。

今では、日本株式を減らし海外株式(ベンチマークはMSCIワールド・インデックス。米国株組入約5割)が約4割です。元本確保型(定期預金)の比率も大幅に増やしました。

これはNYダウと日経平均の過去3年の比較チャートです。

おおむねNYダウが優勢でした。とくに2019年からは乖離が顕著です。

ずっと感じていたのは貿易摩擦の影響です。グローバルに展開する企業でないとコロコロ変わる情勢についていけません。グローバル企業の存在感が強い米国が優位で日本が後手に回る場面が繰り返されました。

日本株がメインではパフォーマンスが悪い、、海外株式へのウエイトを高めました。とくに意識的に日本株比率を下げたのは2019年6〜7月にかけてです。2019年5月頃に湧き上がってきた米国利下げの機運がきっかけです。利下げは景気悪化への対抗策です。6~7月にかけて一気に日本株の比率を下げました。

しかし9月以降、日本株も含め海外株式も急上昇に転じます。株式の比率を下げたことを後悔してました。。

2018年10月のピーク以降、利回りは5%を切っていました。直近の最高は2/21の4.62%です。

 

そして、この新型肺炎の世界的な感染拡大による大暴落です。結果としては、株式比率を下げていたことで難を逃れました(2月は月間で日経平均は9.75%下落。401kは4.26%下落で済みました)。

まだまだ相場は下げそうです。たとえそうなったとしても年単位で待っていれば、少なくとも現在の水準(NYダウでいえば2万6000ドル)までは戻すのではないかとおもい、海外株式を買い増しているのが3月現在の状況です。

後日談3/12:

控えめに「年単位で待っていれば」とおもって書いていたのに、ありゃ〜リアルにそんな感触になってきました。WHOが新型コロナをパンデミック認定。昨夜3/11NYダウ終値は23,553.22ドル。本日3/12日経平均終値は18,559.63円。。

 

まとめ

私は利回り5%を目標にしています。
日本株式投信と元本確保型(定期預金)の間で、あいかわらず毎日スイッチングを続けています。
やることの意味合いはだいぶ変わってきました。2018年頃までは、日本株で利益をあげるためにやっていました。今は相場の観察のためです。相場が下がれば海外株式を買っています。

海外株式は毎月定額でコツコツ積み立てています(ドルコスト平均法)。相場が下げたときに積み増して、じょじょに構成比率を高めています。

 

後日談2020/7/9:
当ブログ記事を書いた時点ではNYダウの26,000ドル回復には年単位での時間がかかると悲観しましたが、既に回復しています。そしてこの水準で膠着しています。200日移動平均もこのあたりだし、しばらく上にも下にも動きずらいように感じます。